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2009年6月

江差の曼荼羅寺 八地蔵

江差の曼荼羅寺の八地蔵は女性の篤い信仰を集めております。

大正の中頃、積丹半島の東海岸は余市のある寺が,八体の地蔵を加賀の国の仏師に注文しました。
それが完成していざ北前船に積み込み、はるばる日本海を北に航海していた際の中休みとして、江差に寄港します。

ところがしばらく帆を休めていざ出航というときに突然空が掻き曇り、沖は大荒れ。
そして肝心の地蔵の顔が、何故か険しく見えるというから縁起が悪い。
不吉なものを感じた船頭は出航を延期しました。
翌朝、さいわい天候も回復しましたのでいざ帆を揚げたところが、またしても海が荒れ、
地蔵様の顔が険悪になってしまいます。

気味悪がった一行は曼荼羅寺の住職に供養を頼みました。
僧が地蔵様に経を詠んだところが、地蔵様は「ここに停まりたい」と言ったように見えました。
一同は「地蔵様はここに居たいから、出航を妨げたのだな」と納得し、
結局八体の地蔵様は曼荼羅寺の境内に安置されたのです。

その当時から曼荼羅寺は街の女郎たちの信仰を集めておりましたが、
やがて 「八地蔵様に米を供え、お下がりをおろして研ぎ、その研ぎ汁を飲むと
乳の出が良くなる」との噂が流れ、信仰は一層深まりました。

粉ミルクが普及した現在でも女性の信仰は篤いそうです。

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江差の繁次郎話 10人とその他

繁次郎は口先三寸で魚場の親方をだまくらかし、魚場をのれん分けさせました。
手始めに若者を二人雇い入れ、

「おめたちも親から貰った名前があろうが、おらの鰊場で雇うすけ、おらが新しく名前付けてやる。
おまえは『重人』(じゅうにん)、おめは『其太』(そのた)だ。名前呼ばれたら返事して働けよ」

しかし名前がどうであれ、鰊がこなければ商売にならない魚場、あいにくの
不漁で景気が悪いことこの上ありません。そこへもとの親方が様子を探りに
やってまいりました。
「シゲ、最近はどんなものだ?」

そのとき若者の一人が外から繁次郎に向かって

「親方ァ、暇だしけ、街さ行っていいかや?」
等と聞きました。
繁次郎はもったいをつけて

「アイせ、いつ鰊さ群来るさわからんシケ、ジュウニン浜さ下りれ、
ソノタ山さ行って薪採ってこい」

親方は感心して、

「シゲさ、十人からの人間使うとは、おめさも大したもんだな。」

と、感心しきりでかえっていったそうです。

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